佐久良城

別名 下の城山  付近住所 滋賀県蒲生郡日野町佐久良 現在- 
2009/10/12 碑・案内板アリ


小倉氏  室町時代(1338〜1573)に、ここ桜谷一帯を領していた小倉氏の本城を「佐久良城」といい、地元では「下の城山」と呼んでいる。すぐ東にある長寸山頂上の長寸城を上の城山と言い、鳥居平にある鳥居平城、奥師にある四つ谷城、川原に残る園城城など、五か所の城を代々の小倉氏が築いた。
 特に文武両道の名将だった戦国の武将である小倉実澄が、この城で活躍したことは数々の文献にも残されており、周囲を堅牢な土塁で囲んだ本丸跡には庭園も設けるなど、典型的な中世城郭の遺構を完全な姿で今に残している。堀切という空堀の跡、大手と搦手門である虎口の跡、帯曲輪、お馬洗いという湧水の跡等々、見るべき遺構が随所に数多くある。
 中世の城跡は全国に数多くあるが、その殆どが山城であるところから、城跡への探訪に困難さが伴う中にあって、この佐久良城のみは数百年間の形状破壊が殆ど無く、しかも交通もまた至便な場所にあることは、稀に見る優れた中世の城郭址と言えよう。
 なお近くにある曹洞宗の神護山仲明寺は小倉氏中興の英傑だった小倉実澄の菩提寺である。